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これだけは押さえておきたい会社の税金のはなし【7】~役員給与~

中小企業の社長さんに押さえておいて欲しい会社の税金のはなしの7回目は、役員給与です。

役員に対する給与については、役員が会社の委任(会330)を受けてその法人経営に従事する者であり、法人の得た利益の分配に参与する地位にあるともいえることから、職務執行の対価として 相当とされる金額を超える部分は損金の額に算入しないこととされています(法 34)。
もし仮に、自由に役員給与を支給することが可能であれば、利益調整が横行して課税の公平性が失われるばかりでなく、国としても税の徴収が出来ない結果となるため、法律により支給方法等が厳しく定められています。

 

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【目次】

 

1.損金に算入される役員給与

 法人がその役員に対して支給する給与のうち、次の①から②までに掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されないこととされています(法34①)。

言い換えれば、役員給与の額を損金に算入するためには、次の①から②に掲げる給与に該当する必要があります。
ただし、これらの給与には、債務の免除による利益その他経済的な利益を含み、不相当に高額な部分の金額及び事実を隠蔽又は仮装して経理することにより役員に対して支給する給与は損金の額に算入されません(法34①②③)。

 

① 定期同額給与
支給時期が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ、当該事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与、その他これに準ずる給与をいう(法34①一、令69①)。

→毎月の給与が同額で同時期に支給されるものである必要があり、これを定期同額給与と言います。

 

② 事前確定届出給与
その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で、納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしているものをいう(法34①二、令69②~⑤、規22の3①)。

→指定した時期に予め定めた金額(例えば役員賞与)を支給することを税務署に届け出ていれば、損金に算入することができます。
したがって、あらかじめ支給額や支給時期が確定しているものについては毎月の定期同額の給与の他に6月及び12月などのように特定の月に増額支給するものであっても損金の額に算入されるということになります。

 

2.過大な役員給与の損金不算入

定期同額給与等であっても、法人がその役員に対して支給する給与のうち不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入することができません(法34②、令70)。


役員給与が不相当に高額かどうかは、次の「実質基準」及び「形式基準」によりそれぞれ不相当に高額な部分の金額を算出し、いずれか多い金額が損金の額に算入されない金額となります(令70一)。

 

① 役員の職務内容、法人の収益状況、使用人に対する給与の支給状況、同業種同規模法人の役員給与の支給状況等に照らし、不相当に高額な場合には、その高額な部分の金額(実質基準)(令70①一イ)

 

② 法人の定款や株主総会で定めた金額の範囲を超えて給与を支給していた場合の、その超える部分の金額(形式基準)(令70①一ロ)

 

3.経済的利益とは何か

役員に対して支払う給与は、現金で支払われるのが通常だと思います。
しかし、法人が役員等に対して有する貸付金等の債権を放棄する場合、あるいは、法人が所有している土地、建物を役員等に対して無償や低い価額で賃貸する場合のように、現金は支払われないが、実質的にその役員等に対して給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらす利益が与えられる場合があります。
このような利益を一般に「経済的利益」といいます(基通9-2-9)。
そこで、法人税法上このような経済的利益については、役員の場合であれば、その実態に応じ定期同額給与、臨時的な給与、退職給与に区分し、これを実際に支給した給与の額に含めそれぞれの金額が過大であるか否かを判断することとなります。 

 

4.役員給与の額を変更する必要があるとき

(1)定期同額給与の変更

定期同額給与を改定・変更する場合は、 事業年度開始から原則として3ヶ月以内に改定・変更を行って、 改定・変更前(事業年度の始まりから改定・変更のときまで)の各支給額は同額である必要があり、 改定・変更後(改定・変更のときから事業年度の終わりまで)の各支給額も同額である必要があります。

 

(2)臨時改定事由

役員給与の額を変更しなければならないやむを得ない事情があるとき、例えば「内国法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情」(これらを臨時改定事由といいます。)がある場合には、事業年度の中途において役員給与の額が改定されたとしても、それによりされた給与改定は定期同額給与として取扱い、その全額が損金に算入することが可能になります(法令69①一ロ)。

 

つまり、①職制上の地位の変更、②職務内容の重大な変更、③その他類似するやむを得ない事情、の3つが臨時改定事由とされており、この臨時改定事由があれば、役員給与の改定が全額損金算入されることになります。

 

 

これだけは押さえておきたい会社の税金のはなし【6】~接待交際費~

中小企業の社長さんに押さえておいて欲しい会社の税金のはなしの6回目は、接待交際費です。

それでは早速みていきましょう。

 

【目次】

 

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1.接待交際費とは

 そもそも接待交際費とはどういうものが当てはまるのでしょうか?

国税庁のホームページでは以下のように記載があります。

「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。」

簡単に言ってしまえば、得意先をはじめとする会社に関係する人へのおもてなしが交際費に該当します。

例えば、得意先と親睦を深めるために飲み会費、取引先の訪問時の手土産代、お中元やお歳暮等が該当します。

 

交際費であっても次のような費用は交際費から除くことができます。

飲食等のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用は、交際費から除くことができます。

 交際費等から除くためには、参加者の氏名等を記載した書類を保存する必要があります。

 

2.接待交際費と税金計算

 接待交際費は税金計算上は原則損金に算入することができません。

しかしながら、資本金1億円以下の中小法人は「事業年度期間中800万円」までは損金に算入ができ、優遇がされています。

また、飲食にかかる交際費に関しては、その金額の50%を損金に算入することができます。

つまり中小法人の場合には、1年間の交際費を集計し、800万円までの金額を損金算入するのか、接待飲食費に係る金額を50%損金算入するのか、どちらか有利な方を選択適用することができます。

 

3.間違いやすい接待交際費

 会社の取引はさまざまですので、一口に交際費と言ってもなかなか判断に迷ったり、間違いやすいものがあります。

以下にそのポイントを紹介していきます。

(1)飲み会会場までのタクシー代

自社が主催する飲み会の場合で会場までタクシーを利用した場合には、そのタクシー代は交際費に該当します。得意先を会場まで案内するために支出するハイヤー・タクシー代も、得意先に対して自社が行う接待のために支出するものですから、交際費等に該当することとなります。

一方で他社が主催する飲み会(費用は全額他社負担)の場合で、その会場にタクシーで向かう場合のタクシー代は、他社が主催する懇親会に出席するための費用であるため交際費には該当しませんので注意が必要です。

 

(2) 福利厚生費等の中に、役員や従業員の接待等のための支出が含まれていないか

交際費等の支出の相手方には、会社の事業に取引関係のある人だけでなく、間接に会社利害に関係ある人や自社の役員、従業員、株主等も含まれます。

そのため、従業員や役員に対する接待等の費用も交際費に含まれることになります。

 

(3)売上割戻し等の中に、得意先に物品を交付するための費用や得意先を旅行等に招待するための費用が含まれていないか

会社がその得意先に物品を交付するための費用やその得意先を旅行、観劇等に招待する費用は、その物品の交付又は旅行、観劇等への招待が売上割戻しと同様の基準で行われるものであっても、交際費等に該当します。
ただし、次のような場合には交際費等に該当しないものとすることができます。

・交付する物品が得意先において棚卸資産として販売することや固定資産として使用することが明らかな場合

・その物品の購入単価がおおむね3,000円以下であり、かつ、その交付の基準が売上割戻し等の算定基準と同一であるとき

 

(4)専ら役員や従業員の接待等のために支出した飲食費について、1人当たり5,000円以下であるとして交際費等から除いていないか

上記で記載したように、接待等のために支出するものであっても、飲食費用で1人当たり5,000円以下のものは交際費等から除かれますが、専ら自社の役員、従業員及びその家族に対する接待等のために支出するもの(いわゆる社内飲食費)は、1人当たり5,000円以下であっても、交際費等に含める必要があります。

 

(5)棚卸資産又は固定資産の取得価額に交際費等が含まれていないか

棚卸資産又は固定資産の取得価額に交際費等が含まれている場合には、支出の事実があった事業年度の交際費等に含める必要があります。
なお、交際費等に含めて損金不算入となった場合には、税金計算上は当事業年度終了の時における棚卸資産等の取得価額を減額することができます。 

 

 

スマートフォンによる所得税の確定申告が2019年から可能に!

内閣府税制調査会発表の資料によると、国税庁は現在のシステムを刷新し、2019年(H31年)1月からスマートフォンを使って所得税の確定申告ができるようにするそうです。

今回はその内容について見ていきたいと思います。

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【目次】

 

1.従来のスマホを用いた確定申告

 

従来からスマートフォンを用いて確定申告書を作成することは出来ました。
しかし、そのまま電子申告することは出来ず、紙に印刷して提出する必要がありました。

スマートフォンのみで申告が完結しない点が不便との意見が従来からあります。

 

2.スマートフォンによる電子申告

 今回発表された資料によれば、スマートフォンでも電子申告を可能にし、「スマホ申告」を実現するとのことです。

財務省資料】

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本人確認のためスマートフォンマイナンバーカードを読み取って電子証明書を取得し、国税庁が開設したスマホ用の申告書作成ページを用いて申告できるようにするようです。

 

3.問題点

(1)対応可能スマートフォンの少なさ

 スマホ申告するためには、スマートフォンにてマイナンバーカードを読み取る必要があります。
現在、マイナンバーカードの読み取り機能があるスマートフォンは十数機種しかなく、最も普及しているiPhoneはこの機能に対応していません。
この点を解決していかないとスマホ申告の普及は厳しいものとなりそうです。

 

 (2)マイナンバーカードの普及率

 スマホ申告では本人確認のためにマイナンバーカードが必要です。
このマイナンバーカードですが、以下の記事でも紹介したとおり、決して普及率が高いとは言えません。
マイナンバーカードを使ったサービスは、どんどん便利になってきているのですが、普及にはまだ時間がかかることが予想され、同時にスマホ申告の普及にも時間がかかることが予想されます。

  

hamatax.hatenablog.jp

 

4.まとめ

 マイナンバーカードの読み取り機能付きのスマートフォンを用いれば、「スマホ申告」が2019年1月から実現しそうです。

〇「スマホ申告」実現のための要件
マイナンバーカードを用意
マイナンバーカード読取機能があるスマートフォンを用意(現状iPhoneは非対応)

要件が揃えば確定申告が手軽に出来るようになりそうです。
今後もこの話題については続報が出次第、随時紹介していきます。