大田区蒲田の税理士がつづる税金・節約のはなし

大田区 蒲田の税理士が日々の生活の中で活かせる税金・節約のはなしをします

これだけは押さえておきたい会社の税金のはなし【3】~売上の計上基準~

中小企業の社長さんに押さえておいて欲しい会社の税金のはなしの3回目は、売上の計上基準です。

会社の税金は1年間の会社の収支を基に計算されますが、もし売上の計上時期を任意に決められるとしたら、利益操作がいくらでも出来てしまいますよね。

税務署の視点で考えると、利益操作をされると税金が徴収できない、課税の公平性が保たれない結果となってしまいますので、売上の計上基準について、法律を軸に基準が規定されています。

この規定に沿って売上を計上しないと重加算税が課される等の罰則がありますので、今回の内容を押さえて正しい計算を行えるようにしましょう。

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【目次】

 

1.棚卸資産(商品)の販売

棚卸資産の販売による収益は、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金となります。

益金とは税法上の収益のことをいいます。

この引渡しの日は、例えば出荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日、検針等により販売数量を確認した日等当該棚卸資産の種類及び性質、販売に係る契約の内容等に応じ引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、継続して収益計上を行うこととしている日をいいます。

 

2.請負に係る収益

請負に係る収益は、原則として、物の引渡しを要するものは目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日、物の引渡しを要しないものは約した役務の全部を完了した日の属する事業年度の益金となります。

この引渡しの日は、建設工事等を行うことを目的とするものであるときは、例えば作業を結了した日、相手方の受入場所へ搬入した日、相手方が検収を完了した日、相手方において使用収益ができることとなった日等当該建設工事等の種類及び性質、契約の内容等に応じ引渡しの日として合理的であると認められる日のうち継続して収益計上を行うこととしている日をいいます。

 

3.売上基準の継続適用

売上げの計上基準は、棚卸資産又は役務提供の種類、性質、契約の内容等に応じて合理的な基準を選択し、継続適用する必要があります。

売上げの計上基準を合理的かつ適切な理由もなく変更した場合には、変更後の計上基準は認められない場合があります。

基準をころころ変えることは租税回避行為と見なされる可能性がありますので注意が必要です。

 

4.売上金額が確定していないときの見積もり

引渡しの完了した棚卸資産の販売代金又は完成して引渡しを了した建設工事等の工事代金が当事業年度終了の日までに確定していない場合には、その販売代金等を同日の現況により合理的に見積もる必要があります。

見積計上した売上金額とその後確定した売上金額に差額が生じたときは、確定したときにおいて、その差額を益金又は損金の額に算入することになります。

マイナンバー制度における情報連携について

マイナンバー制度における情報連携について、内閣府より情報が出されました。

今回はその内容について見ていきたいと思います。

 

マイナンバー制度における情報連携は、平成29年7月18日から試行運用を開始し、秋頃からは本格運用の開始を予定しているとのことです。

※情報連携とは、マイナンバー法に基づき、これまで国民・住民が行政の各種事務手続で提出する必要があった書類を省略することができるよう、専用のネットワークシステムを用いて、異なる行政機関の間で情報をやり取りすることです。

情報連携の本格運用が開始されれば、マイナンバーを用いる事務手続において、これまで提出する必要があった書類が省略できるようになります。

ではどのような事務手続きが省略されるようになるのでしょうか?

 

本格運用開始時点において情報連携可能な事務手続は、地方公共団体での児童手当や介護保険地方税の減免手続をはじめ、 健康保険関係、ハローワーク関係、奨学金関係の各種手続など、以下の一覧のとおり予定しているとのことです。

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マイナンバー制度の情報連携(本格運用)に伴い省略可能な書類の例」内閣府資料より

 

主に市役所関係の手続きが優先的にマイナンバーとの連携が始まり、手続きの省略が始まるようです。

マイナンバーの連携による私たちの生活への影響は計り知れません。(良いことも悪いことも。)

このブログでは引き続きマイナンバー制度に関してウォッチしていき、情報を発信していきます。

これだけは押さえておきたい会社の税金【2】~税率を押さえて見込税額を把握~

前回に引続き2回目として、中小企業の社長さんが押さえておきたい会社の税金の話をします。
今回のテーマは税率です。
税率が把握できれば、利益を基におおよその税金負担額を把握できるようになります。

【目次】

 

1.各種税率と実効税率

前回で会社はさまざまな税金がかかることをお話しましたが、税率も税の種類によってさまざまです。
以下で詳細をみていきますが、覚える必要はありません。
覚えておいた方が便利なのは、実効税率です。
実効税率とは、会社の実質的な税負担率のことをいい、法人税、住民税および事業税の所得に対する税率を合計したものとなります。
これを覚えておけば、利益に対して実効税率をかけるだけでおおよその税額を把握することができるようになります。

2.各種税金の税率(資本金1億円以下の法人を対象)

(1)法人税、地方法人税国税

 

法人税と地方法人税の適用税率は、以下となっています。

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法人税額の課税標準(税を賦課する場合の算定基準となるべきもの)は所得です。
所得とは、会社の利益に税法に定められた一定の調整を加えたものです。
地方法人税課税標準法人税額です。
そのため、地方法人税法人税が増えれば比例的に増加することになります。


(2)法人住民税【地方税

法人住民税の適用税率は、以下となっています。

地方税地方自治体によって税率が異なる場合があるため、ここでは一般的な税率である標準税率を記載します

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法人住民税の課税標準法人税額です。(法人税割)
また、これとは別に均等割という定額の税金が掛かってきます。

 

(3)事業税、地方法人特別税【地方税

 事業税と地方法人特別税の適用税率は、以下となっています。
なおこちらでも一般的な税率である標準税率を記載します。

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事業税の課税標準は所得になります。
地方法人特別税の課税標準は事業税(所得割)を標準税率で計算したものになります。

 

3.実効税率(資本金1億円以下の法人を対象)

実効税率の計算の対象となる税金は,利益に関連する金額を課税標準とする税金です。
具体的には上記に記載してきた①法人税,②法人住民税(法人税割)および③事業税(所得割)です。

実効税率の算定式は以下となります。

 

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これから実効税率の計算を行いますが、ここで対象となるのは、資本金1億円以下の法人を対象とし、地方税の各種税率は標準税率、事業税の所得割は軽減税率を適用する場合を想定しています。

 

(1)所得金額 400万円以下の部分

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 (2)所得金額 400万円超~800万円以下の部分

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 (3)所得金額 800万円超の部分

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4.実効税率と税額について

3.で見て分かるとおり、所得が800万円以下の場合には実効税率が低いことが分かります。
これは法人税と事業税の軽減税率が働くためです。
会社の利益が固まりましたら、上記の金額の区分に応じた実効税率を乗じることにより、大まかな税金負担額を把握することができます。